FUKUFUKU LIFE INTERVIEW!
【プロフィール】
森口 和真さん(Moriguchi Kazuma)25歳/福知山市三和町在住/京都市出身
福知山暮らし体感ツアーがきっかけで、2020年9月、京都市から家族4人でお試し住宅に入居。その後、三和のぶどう園「丹波ほっこり農園」に就農し、空き家情報バンクを通じて定住。田舎で理想の生活を送っているという森口さんご家族を取材した。
京都市出身。農業科の高校を卒業後は大学進学し、アルバイト先の飲食店に就職をした。妻は、高校の同級生。「いつかは一緒に学んだ農業を田舎でしたいね。」という夢を持ちながら都会で子育てをする日々を送っていた。しかしながら、その「いつか」は、新型コロナウィルス拡大の影響もあって、いがいと!早く訪れることになる。
日々仕事で忙しく、子どもとの時間がとれなかった。そんな中、コロナで飲食店も打撃、都会は家賃も高いまま…。そんな時に妻が言った「田舎に行って農業しない?」という一言が移住を推し進めることになる。その日から全国の移住先の情報収集を開始し、2020年7月に「福知山暮らし体感ツアー」へ参加。ツアーでは、リクエストした「農業」「子育て」をテーマに就農している先輩移住者等を訪問し、地域の人や雰囲気を知れたことで移住への思いがより一層強まったという。「同じ京都府内であっても実際に行ってみないと違いがわからない。参加して移住に対する不安がなくなった。」と振り返る。
▲目の前に田んぼが見えて、大空が広がっている田園風景…。夫婦が理想とする風景が、三和町にはあった。
三和町には、3ヶ月無料、最大1年間入居できる「お試し住宅」がある。森口さんが体感ツアーに参加した時を同じくして、三和町ではお試し住宅の新規入居者を募集していた。「ツアーに参加したことで移住へのモチベーションが上がり、お試し住宅入居も希望しました。」と勤めていた飲食店を辞め、2020年9月から入居を開始。早くも念願の三和町で新生活を開始することになる。
お試し住宅は、家具家電の設備付き。「都会から来た自分達にとって、都会と同じく不自由のない生活で田舎暮らしがスタートできたことが、ありがたかったです。そのおかげで地域に慣れることに専念できました。最初から空き家に住んでいたら家の補修等に時間が奪われて、きっと大変だったと思います…。」とお試し住宅での生活を振り返る。
▲都会にいた時よりも子どもと過ごす時間が増え、お試し住宅の庭では、一緒に野菜を育てて楽しんだ。
▲1年間入居することで、四季を感じながらお試し移住ができる。都会ではなかなか見られない雪で楽しそうに遊ぶ子ども達。
2021年9月、長いようで短い1年間のお試し住宅での生活を終えた。その間に「空き家情報バンク」で定住のための家も探し、希望の物件を見つけることができた。「地域の人たちが、他人の自分たちに以前からの知り合いのように接してくれて、温かさを感じました。」と引き続き三和町に定住することを決めた理由を明かしてくれた。「バスの運転手さんや郵便局の配達員さんなど、地域のみんなが子どもたちに声を掛けてかわいがってくれます。地域全体が家族のようなひとつのコミュニティになっていて、都会では味わえないような感動が数多くあります。」と移住して本当に良かったと話す。現在は、家族みんなでDIYをしながらコツコツ自分達の家を作っている最中。「子ども達が大きくなっても思い入れを感じてもらえる家にしたい。」と日々汗を流す。
▲DIYにも家族で挑戦。「補修箇所もあるが、自分たちで家を完成させる。」これも空き家ならではの楽しみ。
▲夏の夜は、蚊帳を組み立てて寝ることも…。昔懐かしい暮らし方を家族みんなで楽しむひと時。
つながった縁もあり、2021年1月からは、地元企業の農業事業部の一員として、三和町の特産品「三和ぶどう」の栽培に携わっている。妻は、近所の農家さんのお手伝いを開始し、今後は京のブランド産品「万願寺甘とう」の栽培に携わっていく。こうして夫婦ともに移住前に目標としていた農業の夢を実現させることができた。
そんな森口さん一家だが、「夢が実現できたのは、地域のおかげです。」と感謝の気持ちを忘れない。「自分達が失敗してきたことは、同じ失敗をしないように教えてあげる。」という地域で大切にされてきた教えによって、移住者であってもこれまで親切に接してもらえた。「これから先は、自分が成功や失敗を伝えられる役割となって、受入してくれた地域に恩返ししていきたいです。」と笑顔を見せながら話してくれた。
▲地域の特産品「三和ぶどう」。仕事を通じて、これから先も地域のブランドを絶やさずに伝承していきたい。
▲お試し住宅入居時の森口さんのインタビュー動画が途中で流れます。こちらも是非見てください。