FUKUFUKU LIFE INTERVIEW!
新井厚子さん(58才)
福知山市大江町在住
芸術活動で海外を渡り歩いた後Uターン。現代美術を通した独自の視点でまちの文化や歴史を見る。
ふくふく暮らしな人々vol.13 ~新井厚子さん~ リーフレットはこちらからダウンロードできます。
大江町から大阪へ東京へバルセロナへと移り住み、そこから大江に帰り住んでいます。長い時間がかかりましたがひとめぐりしてきて、故郷のおもしろいところがたくさん見えてきました。自分の原点にたちかえり、今までやってきたこととかみ合ってきて、また新しい体験をしています。
北近畿には可能性を感じます。これはUターンしてから気がついたことです。昔はそれほど気にとめなかった物事がとても面白くみえて、昔と変わらず故郷がここにあるという実感とともに、地域の人々と個性的な移住者が織りなす新しい風を感じます。
バルセロナに住んでいた時、見た目だけでなくアートを通じて地域の文化を知ることで、地域のいろんな部分が見えました。その結果、その土地をもうひとつの故郷と捉えることができ、またそれが次の創作活動に繋がっていきました。地域をリサーチし皆さんに参加してもらうアートプロジェクトなどを通じ、地域と関わっていきたいと思います。
※拓本:石や器具などに和紙をかぶせて密着させ、紙の上から拓本墨をタンポで打ち凸凹を写し出す用法。一般には石碑や古い器具の文様を写し出すのに用いられる。新井さんはその方法を現代美術の中で応用し石畳や古い壁など町の歴史の一部を写し取る。
お年寄りと話しをすると、みなさん経験豊富でたくさんの知恵をお持ちだと実感します。しかしそれを活かす場が少なくなってきています。そこで、色々な年代の方が交流できるワークショップを企画しています。
異世代間の交流が希薄になっている今、お互いの知恵や技を伝える、伝えられる場を作りたいと思います。例えば、方言には地域の文化や歴史が凝縮しています。それをまとめるだけでも文化の伝達手段となりえます。方言も、私たちの大切なアイデンティティのひとつだからです。
※福知山市三岳地区にて、地域の方言をまとめた「ここらぁ語」
物事の捉え方一つで地域も変わって見えます。そこにある物事を楽しめるスキルを持ちましょう。
※新井厚子さんのインタビュー記事の制作には、福知山公立大学地域経営学部地域経営学科塩見直紀ゼミ2年生のみなさんにご協力いただきました。
編集長感想・稲留優樹(福知山公立大学地域経営学部地域経営学科2年)
これまで、地域や世界といった言葉の意味合いを深く考えたことはなかった。新井さんの考え方を聞き、これから先の様々な体験を通じて、「私にとっての地域」を見出してみたいと感じた。
・雨や霧の美しさはこの地ならではです。鬱陶しいとは思わないで、ポエティックな雨を楽しみましょう。
・川のながめ。由良川をはじめとした美しい川がたくさんあります。また山々の織りなすブルーグレーのトーン。お気に入りのポイントはたくさんあります。
・山も海も川も他の町も都会も一時間半もあれば着くバリエーションがある土地柄です。