FUKUFUKU LIFE INTERVIEW!
【プロフィール】
ご夫婦で「田舎体験ハウスWぴーす」を運営
堀 代知さん(Hori Daichi)32歳/福知山市大内在住/京都市出身 ※写真左
堀 可奈さん(Hori Kana) 32歳/福知山市大内在住/豊中市出身 ※写真右
建築の専門学校を卒業後、住宅メーカーに入社し、会社員として忙しい日々を過ごしていた代知さん。自身の生き方を見つめ直すため、2013年からは世界1周の旅へ。帰国後は、長野県軽井沢で人力車(車夫)の仕事などをするも、コロナ禍により仕事が減少したことがきっかけとなり、2020年4月から祖父母の住んでいた福知山の空き家を改修して、地域が運営する初のお試し住宅にするための準備を中六人部地域づくり協議会と連携して進める。祖父母と過ごした思い出の地に移住した代知さんと可奈さんを取材した。
「いつかはここで暮らせればいいなぁ…」これは、代知少年が幼い頃に抱いていた思いである。京都市内で生まれ育ったが、祖父母の家が福知山にあったこともあり、夏休みやお正月には家族で福知山を訪れるのが毎年の恒例行事であった。「自然豊かな場所で、蛍が見られてきれいだなぁ。」「近所の人が野菜をくれて、温かい人達だなぁ。」都会で育った代知少年の瞳には、そのように映っていたという。
そんな代知少年であったが、高校卒業後は建築の専門学校に進学し、住宅メーカーに就職するも毎日遅くまで忙しく働く日々が続き、仕事人間となっていく状況に「このままの人生でいいのか」と自問自答することも。そんな日々を過ごす中、自分の生き方を軌道修正するために、代知さんは大きな決心をする。それが、「世界1周の旅に出ること」であった。
▲世界21ヶ国を訪れ、旅の期間は21ヶ月に及んだ。
帰国後は、世界1周で身に付けた語学力を活かして友人とグローバルな不動産会社を起業したり、長野県軽井沢で人力車(車夫)の仕事をしたりと、多方面で活動を開始。しかし、新型コロナウィルス感染症の流行により仕事が減少してしまったことで、長くは続けることができなかった…。
▲20代にして仲間と不動産会社を起業。
その頃、リモートワークの普及や地方のコロナ感染者数の少なさから首都圏を中心に地方移住の関心が高まっていたタイミングとも重なって空き家となっていた祖父母宅を「地方移住のきっかけとなるような場所を作りたい。」、幼少期から感じていた「自然が豊かで人が温かいこの場所をこの先もずっと残したい。」という思いに駆られていた。コロナ禍をピンチではなくチャンスと捉え、2020年4月から福知山に移住。この思いを福知山市に相談したことから全ては始まった。
▲築約60年経過していたこともあり、改修しなくては住めない状態であった。
代知さんが移住を決意した時を同じくして、「中六人部を住みやすい、元気のある地域に」をコンセプトに地元の人たちで活動する地域団体「中六人部地域づくり協議会(ミライト中六)」が設立した。「定住促進により地域の担い手不足や空き家の解消を目指したい」ミライト中六と「空き家となった祖父母の家を活用して地方移住のきっかけとなる場所を作りたい」代知さん、それぞれの思いを知った福知山市が両者をつないだことにより、中六人部地域で初めてのお試し住宅開始の計画が始まった。まさに人と人が繋がった瞬間である。市の補助金制度を利用して改修し、ミライト中六から代知さんにお試し住宅の管理運営を委託する形で2021年3月に開業を迎えた。
▲お試し住宅は、家具や家電が揃っており、最大1年居住しながら移住の準備を進めることができる。
▲完成見学会の様子。当日は30人近くの住民が見学会に参加しお祝いした。
▲地元の人が優しく教えてくれる農業。体験など地域住民とのつながりも強く地域体験メニューが充実しているところが市営のお試し住宅と一線を画すところ
いつも前向きでまっすぐな思いを持っている代知さん。「田舎で移住者と出会ったら、海外で日本人と出会った時と同じような気持ちになって、すぐに仲良くなれるのがいいところ。移住者が増えれば、友達も増えて自分達の生活も楽しくなる。」と話す。自分のリズムで、自分の生き方がしたい人。まずは、お試し住宅で田舎体験してみては?新しい人生のヒントが見つかるかも。
お試し住宅Wぴーす
ミライト中六